26…幸せにするよ!

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「そこまでいくと野心、野望に近いけどなぁ」 「もぉ!みんな、ただ、幸せになりたいだけなの…それだけなの…。私も…きっとずっと、そう願ってただけ…」 しばらく、トシコは外の景色を見ながら、瞳に涙を滲ませていた。 あえて、俺は何も声を掛けてやらなかった。 車を走らせ、そのお婆さんの家に到着。 さっそく、家族の案内でお婆さんの部屋に通される。 「こんにちわぁ」 このお婆さんは、お爺さんが、まだ死んで間もないそうで。 心が落ち着かないからって、最近じゃあ、ほとんど外出をしなくなったそうだ。 寂しいけど、二人の思い出の量は半端ないくらい、誰にも測れない程の大きいモノなんだろう。 それを今はここで、この小さい身体の中に、グッと詰め込んで、締まっている。 トシコは俺の指示通りに、ひたすら準備。 「仲が良ろしいなぁ。お二人さんはご夫婦ですかなぁ?」 「はい、もうすぐ☆」 「そうじゃったかい」 「いいえ、まだです」 俺は冷静に真面目に答えてやる。 「ちょっと、こちら照れてるんで、すいません」 「……」 トシコはまた、一言余計な言葉で話を繋げる。 「ええことですよぉ、夫婦になるという事わぁ」
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