第1章

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  ★ 臆病者 落ち葉が舞い落ちる11月 窓際の席に座る私はボーっと外を眺めていた だって グラウンドにはあの人がいるんだもん 体育の授業で楽しそうにサッカーをしている 一学年上の先輩 背丈は普通で色黒 きりっとした形の良い眉毛に二重の目 笑うと八重歯が覗いて可愛い 私の憧れの人 二年の乃木拓馬(のぎたくま)先輩 話したことはまだない というか話す機会もないし勇気もない 私の性格は恋愛に対してとっても臆病なのだ いままで好きになった人になんて告白は一度もしたことがない 同級生だと話すけど 同じ部活とかじゃない限り年上を好きになった場合は話さない 見てるだけ キモイよね(笑) だから今回も見てるだけ それだけでドキドキして幸せな気分になれる 告白してフラれて気まずくなるなんて嫌だ それならいっそのこと気持ちを伝えずにいよう そのほうがずっと好きでいられる
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