第1章

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★親友 心地いい風が頬をかすめる4月 私、本郷夏香(こんごうなつか)はここ、星館(せいいかん)高校に入学した 滑り止めで受験した高校だ 希望していた高校に入れなかったけど まぁ滑り止めでも合格しただけましか と、少し投げやりな気持ちで出席した入学式 これからどんな学生生活が訪れるのかワクワクドキドキしていた 来賓や校長のつまらなくて長い祝辞が終わり、入学式が終わった新入生はそれぞれ各教室へ移動した 私は1年A組普通科だ 普通 私にあっていると思う 中間とか普通とか、どっちもとない感じが好きなわたし 自分自身も普通だし 身長、スタイル、顔、頭脳 みんな普通 憧れの高校生生活だけど きっと高校でも三年間普通に過ぎていくんだろうと考えていた時だった 後ろから背中をツンツンとつつかれた かなりびっくりした私はす素早く振り向いた 素早く振り向いた私に今度は彼女がびっくりした様子で 「ごっごめんなさい」 と言った そりゃツンツンしただけでこんな過剰反応されると誰でもビックリするだろう わたしは悪いと思い笑顔で 「あ。いや。いいよ!」 彼女はほっとした様子で自己紹介をした 「初めまして。私、坂野愛莉(さかのえり)です!」 「初めまして。本郷夏香です」 ショートヘアで色白 背は私よりずいぶん小さい パッチリとした目が印象的なとっても可愛らしい人だ 「出席番号お隣同士だね!これも何かの縁だし、私たちお友達にならない?」 明るい彼女が私にそう言った 「うん!よろしく!」 「えりって呼んで!なんて呼んだらいい?」 「お好きなように」 「んーっとじゃあ、(なつか)の(なつ)を取ってなつで!」 「オーケー!」 これが、親友になる愛莉との出会いだった
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