第1章

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呼吸をしていないことに気づいてハッとする そんなただならぬ様子の私をみた愛莉が 「っちょ!なつ!とうしたの!」 「・・・・・・・」 「な!つ!」 「え・・・あ!あぁ。どうしよう。なんだこれは!」 「は!?」 「教室の入り口に立ってる上級生。ほらあの眉毛がくっきりしてる」 「ん?あぁ。知ってる人?」 「いや。知らない」 「あの人がどうしたの?」 「私今まで何冊も恋愛漫画読んできたけど、漫画みたいなことって所詮漫画の世界にしかないんだって思って・・・。でも今それがあった」 きょとんとした顔できいてた愛莉 でも勘の良い愛莉はすぐに気づいて小声になった 「もしかして、一目ぼれ!?」 「・・・うん。」 「うっそ~!」 と、愛莉は嬉しそうにはしゃいでいた 他人の事で一番初めにわかることといえば見ためだ もちろん今まで好きになった人も全部一目惚れだ 面食ってやつだ 話さないのだから好きな人の事をそれ以上知る術がないのだ でもこんな心臓をぶち抜かれるような感覚は初めてだ 黒髪の短髪でいかにもスポーツマンって感じ きりっとして形のはっきりした眉毛 部活で焼けた肌が小麦色 笑ったときに八重歯がチラッと覗くのがたまらない 分かることはそれだけ 今回も見てるだけで終わりそう こんなにドキドキするのに目が合っただけで倒れそうになると思う 「なつ!」 「あっ。ごめん・・・ボーっとしてた」 「かなりストライクな感じ?」 「・・・うん。うまく言えないけどすごい好きになってしまったみたい」 「へぇ~。なつってああゆぅ人がタイプなんだ!」 「からかってるでしょ」 「からかってないよ」 「目が笑ってる」 「ばれた?」 小悪魔め 人の事となると妙に勘が鋭い 愛莉は恋愛慣れしてるのか? 「なんでも相談してね!先生が手とり足とり教えてあげる☆」 確定だ 「愛莉って彼氏いんの?」 「いますよ~」 「ほぉ。」 妙に納得してしまった
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