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4月・桜の舞う春の季節。
真新しい青い制服を着こなし高校と言う新たな道へ歩む新入生の時期。
群馬県立逢蒼高等学校。
創立10年目のまだ新鮮さの残る高校は桜の木に囲まれている。
桃色の花びらの舞う高校は部活勧誘で賑やかになる。
校舎内を歩く黒髪の少年に上級生の1人が目をつけた。
「ちょっと君!演劇部に入らないか!?」
「いや決まってるんで」
かるくあしらって少年はその場を去っていく。
ただ目的の部活動を探してそれらしきものを求めている。
するとバスケ部と書かれた看板が目に見えた。
目的の部活を見つけた少年は足を向けて歩み寄る。
「誰か~!誰かバスケ部に入りませんか~!」
勧誘に必死なバスケット部員が呼び掛けているも誰1人見向きもしない。
無視され続けているが自分より大きい人影が覆う。
「バスケ部に入りたいんですけど」
「えっ…いや君は無理だよ?」
「はぁ?何がダメなんだよ」
「だって君……女子だよね?」
それは少年にとってもっとも言われたくないNGワードの1つ。
女子と間違えられるという彼にとって屈辱的一言が怒りを一気に爆発させた。
「おれは男だァアーッ!!」
新入生早乙女 アマタ、ポジションF"フォワード"。
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