残念ながらあなたの(人生の)冒険の書は消えました

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女性の話を聞き終え、蒼輝と目を合わせる。 「……どうする?」 「……ここはやっぱあれしかないっしょ。……剣と魔法が主流の魔物とか使い魔とかいるテンプレ世界」 「だよね。あの、今の感じの世界ってありますか?」 意見が一致したので私が問いかけると、女神様は手のひらで半透明の画面を出し検索をかける。どうやら該当する世界があったらしく、一つの欄を見ると同時に手を止めた。 「えっと、ありました。恐らくお二人が求めてる世界に完全一致するのは47番世界ですね。ここでよろしいですか?」 「じゃあそこでお願いします。俺達二人とも年齢はこの体のままで」 「承りました。では、その他の御要望はどうされますか?」 能力、と言ってもその場で言われると直ぐに思いつかないもので、どうしようかとお互いに相談をはじめる。 「どうする?無限の魔力と最強の身体能力とそれに耐え切れる体は必要だよね。後属性は全部」 「後は検索能力とか想像を創造に変えることができる能力もいるよな。後事故でうっかり死ぬことないようにするとか」 「魔力とか抑える能力もあった方が便利、だよね。後見たい番組を世界超えて見れるスカ○ー的オプションとか……とりあえずこれだけあれば大丈夫だと思うけど……」 「そうだよな。すみませんお願いします」 「では付け加えておきますね。後、私につながる仕組みになってる携帯電話もお付けしておきますので何かあればそちらでお呼びください」 「ありがとうございます!要望多くてすみません……」 「いえ、元はと言えばこちらの都合でこうなってしまったので。謝るのはこちらの方です。体を作成しておりますので数分だけお待ちくださいね」 どうやら出来上がると同時に送られるそうなので、それまでにどんな事をするかを話し合う。時間はあっという間で、数分たったらしく、私達の体は淡い光を放ち始めた。 「桃花さん、蒼輝さん、大変なご迷惑をおかけしました。第二の人生を楽しんでいただけたらと思います」 その言葉を最後に、私達の五感は機能しなくなっていった。
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