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「違う!マジなんだって!」
「…ふーん。もう騙されないよ!」
「ドッキリじゃねーから!」
「はいはい。迫真の演技だね」
「…もういい!とにかく来れないんだな?」
「今仕事中だから無理だって。今回のドッキリは“大成功”じゃなくて“大失敗”だったね」
俺は電話をブチっと切った。。
…そりゃそうだ。
こんな話を信用する方が無理な話だ。
俺は今、オオカミ少年の気持ちが痛い程よく分かった。。
第一、完全犯罪て何だよ。
何て説明すればいいんだ。
色々なことがありすぎて上手く説明できないし、理解してもらうのは到底難しい。どうしよう。。
隣のマンションから声がする。
誰かが電話で話しているようだ。
まずい、見つかったら通報されそうだ。俺は今、普段人が入らない様な怪しい場所で怪しい格好をしている。
今の電話、誰かに聞かれてなかったかな。。
ふと、自分の腕に目を向ける。
右腕にも左腕にも注射の跡がたくさんある。。
「…やりすぎた」
覚醒剤を打った時の注射の跡がそこら中に残っている。
この真冬に靴も履かずに半袖1枚。
腕には近くで見るとすぐにわかる注射の跡。寒いのに汗でビショビショ。。
通報されるのも時間の問題だ。。
捕まる前に、何とか殺しの方のアリバイを証明できなければ、俺は殺人犯としてジジィになるまで刑務所暮らしになってしまう。。
急がないと!!
でも、他に都内に知り合いもいない…
どうしよう…
あ!前の会社の同僚のザキヤマが確か小岩に住んでたはず!
急いで電話をかける。
…プルルル..プルルル..
「もしも~し♪」
出た!
「ザキヤマ!今何やってる?」
「今普通に仕事中だけど♪どーしたの?」
…それからチャックの時の様に、ここまで来てもらえるように話したけどやっぱり無理。
この状況を上手く説明出来ないし、相手にも伝わらない。。
…他に誰かいなかったか!?
俺は携帯の電話帳を何度も読み返す。
でも都内の奴なんか何度見ても見当たらない。
…その時、急に知らない男が現れた!
「!!!」
心臓が止まりそうになる。
何も言えない。
男も何も言わない。
少しの沈黙が流れる。
俺は苦しまぎれに会釈をして、そのまま携帯をいじっていた。。
男は会釈を返すこともなく、そのまますぐにいなくなった。。
…今の誰だ!?
…あいつの仲間か??
…ただの通行人??
どっちにしてもまずい!!
通報される!!
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