向日葵畑をコントロール

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 ドラゴンの進路をソテツの栽培地へ変更し、降下させます。  「降下中はやむ終えず急ブレーキをおかけ致します、大変危険ですので、シートベルトをお締め下さい」  「そんな物はありません」  「亦、傾けるの?」  姫とハーロは口々に愚痴をこぼしますが、ドラゴンから振り落とされまいとしっかりと私の背中に捕まっております――。 萌えが私の全身を駆け巡って参りました。姫のお手のなんと柔らかき事、私の背にうずくまるお顔から感じられる吐息。 私はこのシチュエーションを味わいたくてドラゴン・ジョッキーになったようなもの。感無量です。 この儘、愛のソテツ畑へ一直線といきたい所ですが、  「こら!! アルベルト、ドラゴンに火を吹かせたら向日葵に火が点くでしょ、それからジェイク、敵兵落とすなら向日葵じゃない所に落としなさい。向日葵の茎が折れるじゃない」  姫は上空で愛まみれる、厭、相間みえるジェイク王子とアルベルト王子に注意した為に、  「バブ…、サンフラワーお姫様、どうして上空にいるでちゅか?」  「サンフラワー姫、とうとう俺の結婚相手になると心に決めたか。俺、感激だぜ」  両雄にあっさり気付かれてしまいました。  アルベルト様、その容姿端麗なお顔立ちにそぐわない乳幼児言語、改善出来ませんか? ジェイク王子、そのワイルドな口調、苛つきますので慎んで頂きますと非常に助かります。
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