向日葵畑をコントロール

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 向日葵国に於ける戦争は一言で表現すれば『雨』 雨雲のように太陽を覆い隠すドラゴンの群れから、負傷した兵士やドラゴンや兵器が容赦なく地上に降りかかって来るのです。 地上付近から上空での戦争を眺めると、何とえげつない事か……。  「うわああああ!」  「ひいいいいい!」  悲鳴をあげて妨害戦で敗れた敵兵が此方に降って来ますが、私達には、そんな彼らを救助する事が出来ません。 負傷兵を見殺しにする私もハーロも姫もえげつないのかも知れませんが、今は、ハーロの体力を回復させる事を最優先に考えなくてはいけません。  ドラゴンから降りて、姫とハーロを安全な場所へ移してから食糧の調達に向かおうとしましたが、  「メディ、ハーロ、私に続いて」  姫は自ら私の考えを全否定するような発言をされたのです。姫が先陣をきってソテツ畑を移動したのでは、危険度が増すだけです。  「姫、冗談ですよね」  「本気よ。これがあるから何とかなるわ」  そう言って取り出したのは、きかん坊です。 正式名称・サンフラワーカスタム2014改良型と言うのですが、 きかん坊自体、姫自らが向日葵虐待違反条例に適応するからと私から製造や販売する事まで取り上げた代物なのに。 何故姫が……?
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