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女子特有の黄色い声を響かせ歩いてくる、一組の男女のカップル
「分かったって、そんな急ぐな」
男の方は親しそうに女と腕を組み何処かへ向かう様子だ
真っ直ぐ歩いてきたその二人が、そんなこと知らず寝ている彼女とすれ違うのは当然のことであった
「ねーね!…あのね……」
女の方は簡単な雑談をし、それに軽く笑顔で返す男
何時もの彼女なら、跳ね起きてすぐさま消え失せるであろうが状況が状況である
それに意識がなく完全に熟睡状態だ
「あのね、それでね……ん?」
彼女のベンチとすれ違った瞬間のこと
女は彼女に背を向け話していたため、彼女の存在に全く気づかなかったが男は違った
雑談を止めるほどに彼の顔つきは変わっていたからだ
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