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彼の目は相変わらずの濁りのない綺麗な瞳の色をしている
きっとその色は本当に申し訳ないという本心であろうか、その気持ちがあるだけ幸せかと己を納得させる理由を必死に探す
しばらくの間があり、私はため息をついた
「もう……いいわ」
私の好きだったその色に見つめられたなら、もう背くことは出来ない
「もういい…」
「由妃……!!」
「帰って!!」
私の諦めた声を遮り私の名を呼ぶ声を、聞きたくないかのように命令形の言葉で潰すかのように叫んだ
「…あぁ……」
ここにいても私の機嫌を損なうしかしないと、居る資格はないと思ったのか彼は、言葉の通りいつにもなく高級そうな上着を着て帰る準備をする
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