別れと再会

4/11
前へ
/22ページ
次へ
彼の目は相変わらずの濁りのない綺麗な瞳の色をしている きっとその色は本当に申し訳ないという本心であろうか、その気持ちがあるだけ幸せかと己を納得させる理由を必死に探す しばらくの間があり、私はため息をついた 「もう……いいわ」 私の好きだったその色に見つめられたなら、もう背くことは出来ない 「もういい…」 「由妃……!!」 「帰って!!」 私の諦めた声を遮り私の名を呼ぶ声を、聞きたくないかのように命令形の言葉で潰すかのように叫んだ 「…あぁ……」 ここにいても私の機嫌を損なうしかしないと、居る資格はないと思ったのか彼は、言葉の通りいつにもなく高級そうな上着を着て帰る準備をする
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加