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「お願い、決めました」
不意に彼女が言った。
ゼウス様からはなんでも叶えていいぞーって言われてるしなあ。
「まず1つ目。一番問題のある異世界に行きたいです」
「魔法世界だけど……ほんと荒れてるよ?」
思い浮かんだのは今一番荒れに荒れてる魔法世界。
危ないことやりたい放題でもう手がつけられない状態で、女の子を行かせるのは……だけど。
願いなら、叶えなくちゃいけない。
「それでいいんです。2つ目は、あなたの部下にして下さい」
「へっ?」
不意を突かれるというのは、まさにこのことなんじゃないか。
そう思うほど、斜め上すぎるお願いだった。
「天使さんの席、空いてるんですよね。あなたのお手伝いがしたいんです」
「それは……つまり」
「お願い、ですもんね?」
にやりと悪い顔で少女は言った。横目でオレを見やり、したり顔で笑う。
最近の若いコは怖いなあ、もう。
「3つ目は?」
ここまで来たらなんでもいいや。
オレの言葉にぱあっと明るくなる。やった!なんて可愛いこと聞けたらもうね。
おじさんは可愛いコに弱いイキモノですから。
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