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「好きでいていいですか?」
ちょっぴり寂しそうに笑って、こてんと首をかしげた彼女が問うた。
「……うん、ありがとう」
嫌いにならないで、という声が聞こえてきた。
本心からの言葉ばかりだったから、副音声――もとい、心の声はしばらくなかった。
そんな泣きそうな声聞いちゃったら、ダメだなんて言えんでしょ。
「ありがとうございますっ!!」
本当に嬉しそうに笑って、ぎゅうっと押しつけで抱きつく。
なにがとは言わないよ。言わずもがなだもんね。
もう確信犯だよね、コレ。ええい、立ち去れ我が煩悩!
とりあえず、抱きつくのをやめてもらうように言おう。
そう固く心に決めて、気まずさをやりすごした。
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