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備考欄を見て、さっきの嫌いにならないでという言葉に納得する。
ハイテンションになるのもそのせいか。
で、あの仕事着はゼウス様がお作りになった趣味全開の制服だった。
まったく、本当にすごいコを部下に持ったモンだ。
未来(さき)のコトを思って、苦笑いのような微妙な笑みを浮かべながら、異世界に辿り着いた彼女の通信を受け取る。
「もしもし」
『あ、神様!ただいま到着いたしました!!』
オレが見ているのを知ってるのか後ろを振り向いて、空に向かって敬礼する。
正面からそれを見て、その順応性の高さと無邪気さに笑った。
「オレは上郷真広(かみさとまひろ)。だからみんなに神様って呼ばれてる」
苗字と名前をうまいこと取ると神様になるからって理由でご指名されたしね。
ゼウス様も酔狂な人だ。
『わたしのことはアリッサって呼んで下さいね!真広様!』
「様はよしてよ」
『はい!真広さん!』
実はオレが日本人でした。なんて、ちょっと予想外だったろうな。
ちょっと驚いたような顔を思い出して、ゆるりと笑んだ。
『それじゃあ、また!』
「うん、頑張ってね。アリッサ」
『はい!!惚れさせてみせますから!!』
うーん。頑張れって言ったのはそっちじゃないんだけどなあ。
まあ、楽しそうでなにより。
こうしてオレとアリッサの、妙な上下関係は始まりを告げた。
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