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二年目
二羽はいつも元気にイチャイチャしている。
見ているだけで自然と頬が緩むくらいだ。
だが、そんな二羽の異変に気づいたのは母だった。
卵を産めるはずなのに二羽は発情期にすらならない。
何かの病気だろうか。
病院に行ってみたが、至って健康で不思議そうにしていた。
生まれつき産めないというわけでもない。
本当になぜなのかわからなかった。
四年目
アオが怪我をした。
部屋を飛んでいるとき、タンスに羽をぶつけたのだ。
ただ幸いなことに怪我したのは羽だけだったので命の心配はなかった。
右羽を折ってしまったアオは、それから一ヶ月カゴの中で過ごした。
キイロは怪我したアオを心配してか、いつも以上にそばにいた。
キイロは頻繁にくちばしでアオを毛づくろいしたり、くちばし同士をくっつけたりしている。
一か月後、キイロの看病のおかげかアオは元気よく飛び回っていた。
飛べなくなることも心配したが、大丈夫のようだ。
十四年目
羽を怪我した後は特に怪我もなく元気な二羽だった。
家族みんなに懐き、訪問者にはアオのおしゃべりで場を盛り上げてもくれた。
そんな日々が長い間続いた頃、キイロに異変が起きた。
カゴの中に入れてあるブランコからよく落ちるようになっていた。
カゴの天井に足だけでぶら下がる遊びもできなくなっていた。
カゴの壁もくちばしで必死に上っているようにもなっていた。
キイロは足を悪くしてしまったのだ。
寝るときはアオに寄り掛かるようになり、大好きだったブランコにも乗れなくなってしまった。
足を悪くしてから三週間が過ぎた頃だろうか。
キイロは完全に歩けなくなっていた。
だが、足は悪くしても鳴き声は元気で時々バタバタと羽を動かしていた。
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