雨と無知

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「どうぞ。 この事務所、インターホン押さずに勝手に入っていいから。」 彼女は私を奥の和室に誘い、先程会話していたもう1人の女の子の所へ私を連れていく。 訳のわからぬまま、私は彼女に従って奥の和室に腰を下ろした。 「ねぇ、今まではどこか別のお店で働いてたの?」 2人は気さくに話し掛けてくれて、テーブルの真ん中に並んだお菓子を私に勧めてくれる。 しかし、私はこれから面接を受けなければならない。 いくら誘われたとはいえ、勝手に事務所に上がって飲食するなんて事はできないのだ。 「風俗は・・・ほぼ初めてです。 チャットレディーを1ヶ月くらいやってました。」 ごく軽く自分の経歴を話す。 しかし、彼女たちがこの店の中でどういうポジションにあるのかをまだ私は知らない。
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