Mへの洗礼

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不安の色を顕わにしたまま呆然と立ちすくむ私。 そんな私の背後から、キャピキャピとした明るい話し声が聞こえてくる。 声は少しずつこちらへと近付き、やがて背後にあった玄関の扉が開けられた。 「あ・・・!!」 玄関のドアから顔を覗かせたのは、今まで接客に出ていた真理ちゃんとジョー。 しかし2人の表情は明るく、まるでさっきまでのトラブルなんてなかったかのような雰囲気だ。 「あっ、お帰りなさい。 真理さん、大丈夫だったかい?」 佐久間さんは被害に遭った真理ちゃんを心配し、彼女の方へと歩み寄り心配そうにその顔を見つめる。 だけど真理ちゃんは、そんな佐久間さんの言動にフフッと笑い声を漏らした。
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