羞恥に耐える

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日曜日、午前11時。 仕事道具の入ったバッグを肩に掛け、私は事務所のビルのある南7条通りを1人歩いていた。 通常チェックアウトの時刻を過ぎたラブホテル街は静かだが、日曜日という事もありわずかに人は歩いている。 訳有りと思われる年齢差のあるカップル、私と同じように1人でホテルに入って行く女の子、そして周囲を気にしながら歩く中年の男性。 日曜日の今日、彼らはこれから何をするのか。 結婚して家庭を持っていれば、家族でどこかへ出かけたくなる程のいい天気だ。 緊張した面持ちで訪れた待ち合わせ場所。 今日私がサービスに携わるのが初めてという事もあり、これから会うお客は私と外での待ち合わせを希望した。
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