羞恥に耐える

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南7条通りとラブホテル街の角にある旧クラブ跡の建物。 ここは学生時代、時々先輩に連れられて夜遊びに来ていた場所だ。 真面目な性格の私は、当然クラブなんて場所には自ら出入りする事がない。 ひっきりなしに大音量で音楽が鳴り響くこの場所はあまり好きになれず、いつも端の方で1人お酒を飲んでいたっけ・・・。 そんな事を思い出しながら佇んでいると、すすきの駅方向から歩いて来た1人の男性がこちらへと手を振っている。 見た目は40代後半。 背は低いが優しい雰囲気を醸し出しているこの男の人が、今日私が接客する“堺さん”という男性だった。
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