羞恥に耐える

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「初めまして。堺です。」 彼は大きなバッグを肩に掛けた私を“Philtrum”の女だとすぐに気付いたようだ。 常連客という事もあり、きっと店の女の子の特徴にすぐ気付いたのだろう。 「支配人から聞いていたよりお若くて・・・。 ごめんなさい。 すぐに気付きませんでした。」 一昨日ジョーから聞いた堺さんの年代は50代。 しかし私の隣に立つ彼は決して50代には見えない若々しい雰囲気を纏っている。 態度は紳士的で笑顔が素敵。 こんなお客さんばかりなら嫌な思いはしないと、私は今日デビューする新たなアルバイトに対して少しだけ安心感を抱いていた。
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