羞恥に耐える

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「行こうか?」 堺さんは腕を差出し、私を先導するよう半歩先を歩く。 彼の腕に手を掛けながら、私は促されるままラブホテル街に足を踏み入れる。 一昨日講習で訪れた“Seeta Inn”を始め、この通りには軒並みホテルが並んでいた。 南10条通りまで続くこのストリートは、恐らく札幌随一の宿泊施設群。 すすきの側の風景はラブホテルが中心だが、南へ向かうに連れビジネスホテルやシティーホテルも紛れてくる。 「どこのホテルにしようか?」 堺さんが外での待ち合わせを提案した理由。 それは新人の私を少しでも安心させるため、サービスを行うホテルを一緒に選ぼうと考えてくれていたようだ。
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