題名 ストロベリー・アイ

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「おいおい……彼氏はどうしたの?」 「フラれた」 私に抱きついて甘えてくる。 最初は嫌だったのに。 ただの友人だったのに。 中学くらいから儚が誰かに触られるのは嫌になった。 その瞳に近寄る男に囲まれている儚を見るのが辛くて嫉妬たりしたこともある。 下校中にわざと居なくなってみたりね。 ただ、当の本人は私が意地悪していることをまるで分かっていなかった。次の日になるとけろっとした顔で抱きつこうとしてくる。女に抱きつかれて困るどころか嬉しがってる私も私だし、仲がいいねっていわれることにちょっと照れている自分も居る。 スキンシップを露骨に嫌がる友達も居るけれど男にもそうなのって聞き返しそうな時がある。女同士で恋愛って話をすると露骨に嫌がってる奴もいる。儚の瞳が嫌いって奴もいる。だけどそれは他人のこと。自分は自分。私がイイんだからそれで良い。 儚の瞳は最近生まれた瞳。私たちが生きている世界は科学だけが異様な進化を遂げて生まれる前に瞳の色を変えるって技術ができる時代。その第一候補生が私たちの世代。 儚のストロベリーアイは、成功例だ。 私の茶色とはわけが違う。 「また、デートに遅刻したんでしょ。懲りないね」
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