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こんな物でも福引きの景品なのだ。何処かでちゃんと使えるのだろうけど、今からまた繁華街に行くのは流石に面倒だ。それに暑い。
興味も無くなったので、未来でこの時のこれがなぁ、と後悔するよりは、破り捨てた方が悔いは残らないだろうと思い、チケットを無造作に破いた。
≪招待券の使用を確認しました。これより転移を開始します≫
「っ! 誰だ!」
突然聞こえた機械のような音声に、思わず声をあらげるが、返事はない。
代わりだとでも言うように、落としたチケットが発光し、光が膨れ上がった。
迫る光に思わず目をきつく閉じる。
一瞬、足が浮いたような浮遊感を感じ、次に足裏の感触がフローリングのそれから柔らかい物に変わり、そして何よりも。
「……暑い」
うんざりしながらボヤいた。
俺が立っている場所は草原だった。
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