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「…あいつが」
何かを思い出したのか、柴田の顔がわずかに歪んだ。
たけどやっぱりそれ以上は言ってはくれなかった。
「…なぁ、柴田。言いたくなければいいけど、でももしなんか言いたくなったらいつでも呼べよ?…その……今日話聞いてくれたお礼。貸し1、な。…てか、ちょっと待ってて」
ずっと肩にかけっぱなしだったカバンの中からペンを取り出す。
ノートの端を破いてそこに急いで書いた。
「捨てたら呪われるからな」
小学生か、俺は。
その気の利かない台詞と共に、僕は自分の携帯番号の走り書きを柴田の手に握らせた。
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