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リビングの傍らに置かれた写真の楓に言う。
「『空の上』で合ってんの?」
なぁ、楓。
どうしたら、柴田のことを助けられる?
どうしたら、柴田は笑ってくれる?
お前が生きてたら、柴田になんて言う?
僕がやってることは正しいのか?
わからないんだ。
でも、ほっとけない。
今度はちゃんと助けたいんだ。
向き合いたいんだ。
お前の出したクイズの答えとその意味も、柴田と向き合ったらわかるような気がするんだ。
静かな夜だった。
小さな庭で、虫の鳴き声が響いていた。
月明かりに照らされたその部屋の中で、僕はしばらくの間楓の写真を見つめながら心の中にある言葉を呟いた。
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