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確率は0じゃない。 楓は決して帰ってはこなかった。 でも柴田は― 生きてる。 僕の隣の席でじっと、ただ空を見つめながら、見えない何かを抱えながら。 今日ここに現れなくても、明日は来るかもしれない。 明日来なくても、その先の『いつか』が僕と柴田の間にはある。 だから― ゆっくりと旋回し、地上を離れていく機体。 見上げる空。 柴田はきっと、来る。
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