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「もうすぐだな」
補習の最終日とあってどこか教室の空気が浮足立っているように感じられたその日、玄関から駐輪場に向かう途中で矢野は言った。
何のことを言ってるのかなんて聞かなくてもわかる。
楓の命日。
「…3年、か」
もう3年。まだ3年。
どっちなんだろうな、と心の中で自分自身に問いかける。
14だった僕らは17になった。
少しずつ大人に近づいている。
楓からは遠ざかっている。
「結局、未だにわかんねーな。あの答え」
ふっと矢野が笑って言った。
…あ。
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