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「……理由は?」
「教えてくれなかった。でも『間違いない』って言った。あいつ」
答えがわかっても理由がわかんなきゃ意味ねぇじゃん、て。
…あーそうだ。
自分で考えろって言われたんだっけ。
「…『空の上』か」
あの時の僕と同じように矢野はその言葉を復唱した。
空の上。
見上げると、夏の真っ青な空が入道雲を携えて視界いっぱいにその色を広げている。
陽射しが眩しく、少し顔をしかめながらその色をじっと見つめた。
隣で矢野も同じように空を見上げていた。
…やっぱりもう一度柴田に会いたいなと、そんなことをぼんやり思う。
夏が終わる前に、あいつと話したい。
今日は来るだろうか。
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