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「…今日、何曜だっけ」 矢野がふいに言葉を発した。 「…あ?」 会話の流れからしてあまりにもとんちんかんな質問に一瞬戸惑った。 「…金曜だけど。なんで」 「あーそっか。金曜か」 確かめるようにそう言う。 「それがどうかしたか?」 「いや、別に。休みって曜日の感覚なくなるよな」 毎日補習で出てきてたんだから休みでも何でもねーじゃん、とは思ったが、世間的には夏休みだもんな。 「まぁ多少な」 そう言いながら僕らはまた何でもなかったかのように歩き出した。 そして僕はまた昨日と同じように、通いなれてしまった場所に向かって力強くペダルを踏み出した。
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