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ずっと、重ねてる。
柴田の横顔に。
こいつを見てると思い出すんだ。
あの頃のこと。
橘や矢野の言うように、僕は確かに柴田を見ているのかもしれない。
だけど、僕の視線の先にいるのはー
本当に柴田なのか?
それともー
ゆっくりと柴田がこちらを向いた。
口元が動く。
その動きを脳内で声にした。
『俺に関わるな』
それ以上、もう柴田が僕の方を向くことはなかった。
視線を合わせることも、声を発することも。
そうして柴田は完全に僕をシャットアウトした。
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