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そしてツバサは、そのふたつをマイ達に掲げてこう言った。
「ねえ、これ、何なの?」
「他に言うことがあるだろ」とココロが強い調子で返す。
ツバサは悪びれた様子もなく、フンッとこちらまで聞こえるくらいの鼻息を吐いた。
「なんか、悪いことしてると思った。煙草とか、ドラッグとか。だからこれなに、大麻?」
……どうやら、マイの予想通り、ツバサはエキゾチカについてわかっていない。調べてもいないようだ。
ココロはベンチに片足を載せて、山賊の頭領のような姿勢でツバサを睨んでいる。
……多分、ツバサ目線ならココロのパンツが見える。お茶で唾を飲み込んだ。
「煙草でもクスリでもないよ。言ったでしょ、それは私の美術作品なんだ。返せよ」
ツバサは、象の鼻のようにあごをくねらせ、両手を腰に当てた。
「絶対、嘘。ねえ、教えてよ、これ何なの? 誰にも言わないから教えてよ」
「いきなり人のもん盗っておいて、今度は教えて? ふざけるのはその鼻の穴の大きさだけにしろよ。アイフォンの充電器差すよ」
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