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少し間を空けてから、ココロは立ち上がり、こう言った。
「……わかった。秘密を教えてあげる」
ツバサはもちろん、カンナも、ココロの発言に驚いた顔を見せた。
「でも条件がある。まず、先にそのなかのもの、返して」
ツバサはまるで子猿のように、ハンカチと小瓶を後ろに隠した。
「嫌に決まってるでしょ、そうやって、うちのこと騙すつもりでしょ。知ってるんだからね、ココロ。あんたがそういう不良だって! 怪しい店でバイトしてるとか、彼氏いるとか、噂になってんだから!」
「え? 彼氏いるの、ココロ」
カンナが突然話に入ってきた。正直、カンナが訊いていなかったらマイが訊いていた。
ココロは「彼氏いたら不良なの?」と言ってから続けた。
「まあいいや。じゃあ、こうしよう。はい、これ」
ココロは突然、自分のエキゾチカが入った小瓶をツバサに差し出した。
カンナもマイも、そしてツバサですらココロの言動に驚きを抱く。
ココロは唇の端を釣り上げて、静かに言った。
「私のコレもあげる。だから、あんたが持っているソレを全部、私の小瓶に入れて……賭けをしよう」
……この人の目的がわかった。
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