チョウ貴族 マイ

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昨日、マイとカンナが使ったのと同じ、袋に入った、おもちゃのサイコロ……カンナはふたつ買っていたんだ。 「このサイコロを同時に投げて、どちらの数字が大きいか、ってだけの賭け。簡単でしょ?」 賭けの内容も昨日マイがしたものと一緒だった。ツバサは袋から出したばかりのサイコロをあらゆる角度から眺め、ココロに確認した。 「そ、それでうちの数のほうが多かったら、仲間に入れてくれて、秘密も話すの?」 「あんたの数のほうが少なかったら、小瓶を置いて、二度と私達に近付くな」 ツバサはサイコロを拳のなかで強く握った。 「……あやしい、なんか、あやしいんだけど」 「じゃあ乳首つねりジャンケンでもいいよ」 「な、何よそれ!?」 「ジャンケンで勝ったほうが、負けたほうの乳首をおもいっきりつねるの」 「嫌だし、何それ。何それ」 バカバカしいやりとりに見えたけど、そのおかしな選択肢は、自然とツバサをココロの思惑通りに進ませる手伝いになった。 マイはその間、ココロに対してある疑いを抱いていた。 ……このままだと、ココロは3匹分のエキゾチカを手に入れ、そして間違いなく、賭けでツバサに勝つ。  
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