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──放課後になり、カンナから三件のラインが入った。
一件目は、カンナの財布が盗まれたこと。後に知ることだけど、カンナはあのエミリーの財布を鞄に入れて、教室の、机の横に掛けていた。
そして五限目と六限目の間に、財布は誰かに盗難されていた。
……マイは、一切関知してないし、カンナが馬鹿としか言いようがない。
当然、カンナとココロに疑われるのはマイだと思ったけど、彼女達は何も訊いてこなかった。
そして初等科から今まで、この学院でお財布が盗まれるような盗難事件が起きたのは、初めてのことだった。
二件目のメッセージは『ココロとツバサの賭けを見に行かないの？』という内容だった。
どうやら教室までマイを迎えに来たけど、マイがいなかったからメッセージを送ってきたようだ。
マイはいつも通り部活に行っていた。音楽準備室でケースを開けて、サックスを取り出しネックとマウスピースをつけて、リードをあてがい、リガチャーをはめる。
それからカンナに返信をして、自主練をはじめた。
……送った内容は『行かない』
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