チョウ貴族 マイ

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同じ虫を、お互いが一緒に持っていたとしたら、5000万円相当の幸運を互いに持っているのなら、勝敗を決めるのは、その人が本来持つ運に委ねられることになるのだろうか。 よくわからないけど、マイにとってリスクが少ないのは確かだった。 「じゃあいくよ」 カンナが元気のいい声を出し、マイは拳のなかのサイコロを強く握った。 ……勝敗はどうでもいい。結果、ココロが苦しめばいい。 そんな願いを込めて、サイコロを振りかぶった。 「せーのっ!」 マイとカンナは同時にサイコロを放り投げ、力んだためか、カンナのサイコロは道路のほうに転がった。 「あっ」と言って、カンナが道路に飛び出そうとする。 「ちょっと!!」 マイは咄嗟に、カンナの襟を掴んだ。 すると、コンビニの駐車場から発進したトラックが道路に入り、パキッという小さな音をたてて、カンナのサイコロが砕けた。 「……嘘でしょ?」 マイとカンナが同時に、そう言ったのにはもうひとつ理由がある。 マイのサイコロはコンビニの敷地内で転がった。 しかしそれを突然、猫が襲い、持ち去ったのだ。  
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