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「梢ちゃん、お昼食べに行こうか?」
シャワーを浴びた俺がベッドの彼女に呼びかけると、彼女はけだるそうに
「うん」
とだけ返事をした。
俺はまた、加減を間違ったらしい。
我ながら盛りすぎだと思うけど。
ベッドの横に座って、彼女の顏を覗き込むとやっと彼女が目を開けた。
「泉水のバカ」
「ごめんね」
「謝ってばっかり」
「でも、好きなんだもん」
俺は彼女の肩先にキスをして、彼女の頭に頬をくっつけて
「好きで好きで、たまらないんだ」
と囁いた。
「気が…ても?」
彼女が横を向いたまま小さくつぶやいたが、聞き取れずに聞き返す。
「えっ?」
「だから、弥生さんみたいに気が利かなくても?」
ちょっと怒った感じでそう言われて、夕べの歓迎会での会話を思い出す。
「もしかして気にしてんの?」
「そういう女が最高なんでしょ?」
そう言ったのは山科で俺は頷いただけだったんだけど。
「それで怒って、飲めないお酒飲んだの?」
そういうと彼女は黙り込んだ。
図星なのか。
それってただの焼きもちじゃん。
俺はにやりと笑って彼女の布団を思い切り引っ張った。
「きゃあ」
梢ちゃんは体を隠そうと手で押さえる。
「やだ、もう」
「馬鹿はどっちだよ。梢ちゃん」
俺は彼女に覆いかぶさって、
「そんな子には俺がどれだけ好きか、もっと教えてあげなきゃいけないね」
と彼女の胸の辺りを指でなぞりながら、笑って言った。
「いいから、わかったから」
梢ちゃんはマットレスのシーツにくるまった。
「もう着替えてご飯に行きましょ」
顔、真っ赤だよ、梢ちゃん。

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