第4章

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ショッピングモールの敷地内にある映画館にいたので、そのままモール内のテラスのある喫茶店に入った。 「はー、涼しくなってきたのでテラスでも気持ちがいいですね」 にこやかに笑う。 「ほんとだね、清々しいね」 内心は真逆な気分なのに、愛想笑いをする。 小早川さん、一人で映画を見に来たのか。 もしかして俺らと同じ映画を見るのだろうか。 何故俺に気付かないフリをしたのだろうか。 透き通る秋空が俺を見下ろす中、小早川さんのことがグルグルと頭の中を駆け巡る。
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