第4章

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「私だって、伊達に歳重ねていませんよ、好きな相手が私に全然気がないことぐらいわかりますよ」 俺からパッと目を逸らして、俯き加減になる。 どう言ったらいいんだ。 小早川さんへの気持ちは自分でも迷宮入りしている。 だが、千秋ちゃんには正直、今後恋愛感情が生まれるとは思えない。 「ごめんね、千秋ちゃん」 傷つけるとわかっていて、謝ることしか出来なかった。変に期待させたらそれこそ千秋ちゃんに悪いから。 「わかりました、まだ今だったら私の心の傷も浅いですし、高坂さんのことは諦めます」 「……ごめん」 これ以上何も言えなかった。
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