第4章

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◇ 千秋ちゃんとはお茶をして別れた。 まだ昼過ぎだし帰っても暇なので、そのままショッピングモールを一人当てもなくフラフラした。 千秋ちゃんには悪いことをしたと思う。あの子はいい子だと思うし、友達として付き合っていくなら大歓迎だ。 だが、彼女との別れ際、俺は彼女に「またね」とは言わなかった。 次なんて、ないほうがいいと思ったから。 彼女が俺に対して恋愛感情があるのならば、このままずるずる連絡をとっていくのも彼女のためにならないと思ったから。 彼女もいい年だ。このまま友達を続けていくよりも、俺とすっぱり縁を切って前に進んでほしい。 こう思うのは、ただ、俺の偽善かもしれないが。 小一時間モール内をふらついて、結局何も買わず駅に向かった。
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