最強決定戦‐前編

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「いや、私にだって、この鋼鉄の爪がある! あいつらの相手は私がしよう」 「ふっ、こんな面白ぇこと譲れるかよ。俺が戦る!」  睨み合い、牽制し合う3人に無視された格好になった盗賊たちが、顔を真っ赤にし、大声を出した。 「おい、てめぇら、聞いてんのか!」 「「「黙ってろ!!」」」  盗賊の上げた叫び声に、3人が闘気を纏った一喝を返す。  その迫力に、赤から一転、青ざめた表情で盗賊たちは縮こまった。  絶対的上位者からの言葉に、身体がすくんで動けない盗賊たち。  大人しくなった盗賊たちを他所に、3人は瞳をぎらつかせ、互いに一歩も譲る気配は無い。 「じゃぁ、こうしよう……私たちの中で1番強い者が、彼らを倒す」 「うむ、良い考えだ! 私に異論は無い」 「俺もだ。で、誰から行く?」  膠着状態を打破すべく、ライアロウが出した提案に、ライオン型セリアンもセルも賛成の意を示す。  続けて、セルがトーナメントの順番を問うと、真っ先にライアロウが手を上げた。 「言い出したのは私だから、私が最初に戦おう。そうだな、相手はあなたにお願い出来るか? ああ、私の名は、朝臣 沙羅だ。あなたは?」
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