第2章 本の花香

3/40
前へ
/40ページ
次へ
クラスメイト達や他の子達は教室や学食などでお昼ご飯を食べるのだけれど、私達三人は調理室のテーブルで食べているところだ。 何故調理室なのかというのは、グルメ部である洋ちゃんのお昼ご飯のためである。 「うん、今日のは結構好みかも。でもスープは少ししょぱいかしら……」  腰まである長い黒髪をポニーテールに括り、割烹着を着ている洋ちゃんは、一見、大和撫子みたいに見える。 けれど、口を開けば先程のようにちょっとグロテスク発言というか何というか。 いつもにこにこしていて穏やかで和み系ではあるけれど、ホラーやオカルトが好きで、好き過ぎて、そのギャップに慣れるまで初見の皆は時間がかかるようで。 私と亜希はもう慣れっこ。 洋ちゃんも中学からの友達だ。 「しっかし毎日毎日、昼ラーメンでよく飽きないよねー。いやー、感心するわ」  そう、洋ちゃんがラーメンを作るために私達は調理室にいるのだ。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加