-プロローグ-

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蝉の鳴き声がうざいくらいに聞こえる。 なぁ、奏?お前は今でも夏が好きなのか? 俺は今でも夏が好きになれねぇよ。 「おい!高井!男のくせに歩くの遅い!」 「…朱里。暑いからって八つ当たりするなよ」 夏は嫌いだ。 「ねぇ、帰りにパフェ食べに行きたい…」 「分かってるよ。毎月のことだから」 蝉の鳴き声がうるさい。 朱里は俺の2歩前を歩く。 「早く!お姉ちゃんまってるんだから!」 蝉の鳴き声がうるさい。 奏…。お前にも聞こえてるか?
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