第一章[5月]

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「親御さんに先にお伝えします。 息子さんの高井裕也さんですが診察の結果―――」 うわああぁああぁあ!!!! 結果を聞いた高井裕也の母親は悲鳴のように叫んだ。 その診察の結果はあまりにも酷だったからだ。 父親は下唇を噛みながら母親をなだめはじめた。 「安心して下さい。まだ本当に初期の段階です。入院して治療すれば普通に生活出来るようになれます。ただ…本人の頑張り次第になる事は覚えておいて下さい。」 部屋の中で母親の泣き声だけが響いていた。 それは暖かくなってきた5月の――― 高井裕也 彼のまさに人生の転機となった出来事
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