プロローグ 

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 その町についたのは夕刻前のことだった。  昔は街道沿いにあったためか、それなりに活気のある町だったが今では新街道の整備と共にルートからはずされさびれてしまっていた。  それでも、この日だけは賑わいを見せている。  なぜなら今日は祭りだからだ。  町の中心広場には炎が焚かれ、盛大に燃え上がっているのが遠目からもよくわかる。  屋台も多くでているらしく、広場付近からは食欲のそそる臭いが漂ってきていた。  先に宿だけ確保すると、待ちきれないと言うように彼は一人突っ走るように広場へと向かっていってしまった。  その様子を見ると、思わずため息が出てきてしまう。  とはいうものの、彼女もせっかくなのでゆっくりとだが祭りの真ん中へと向かっていった。
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