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……
…
都市があるであろう方向に向かって歩き始めて、はや1時間が経とうとしていた。
さっきからチラホラと人が見えてきた。
通り過ぎるすべての人からいやーな目で見られる。
どう考えても、今着ているこのボロきれのせいだろう。
近くのショーウィンドウを覗き込んでみると、様々なデザインや色の服がディスプレイされていた。
いわゆる《ファッション》っていうのを、俺は全く知らなかった。
それでも、今ショーウィンドウの窓ガラスに映し出されている自分の姿は、とてもやばいことは分かる。
遠くからまた人が歩いて来た。
背の高い男の人
服がビシッとしていて、かっこいい。
羨ましい、あの服が欲しい。
そう思った瞬間
ーーシュウィィン
どこからともなく、奇妙音がした。なんだろう、と思いキョロキョロ周りを見た。
すると近づいてきた男が驚いた顔をして、すごいジロジロと見てきた。
今までの人達以上の反応に、俺はさらにショックを受けた。
自然とちょっと怒った表情になってしまったのか、男はあわてて歩いて行ってしまった。
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