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俺の名前はロアー
ロアー・キャトソン
両親は知らない。
物心がついたときには孤児を保護するための施設にいた。
幼児期の大半を施設内のカプセルの中で過ごした。
カプセルは子供たちの生命維持装置であると同時に、最低限の知識や労働の仕方を強制的にインプットさせるための学習装置でもあった。
しかし、その実態は、
孤児保護という名義の労働力の量産工場だった。
インプットが完了すると、成長を促進させられ、すぐに労働に駆り出される。
労働とは言っても、この時代の工場や建設現場などは機械化がほぼ完了しており、人の姿はほとんど見られない。
人手がいるのは、機械の入り込みにくい所や、機械ではコストがかかりすぎる、遥か遠くの地の開拓などだった。
つまり機械よりもさらに下の、使い捨ての労働力として育てられるのである。
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