~謎はまた謎を呼ぶ~

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俺が最初の現場に配属されたのは、約1年ほど前のことである。 極北と呼ばれる、遥か北にある、雪に覆われた極寒の地に1000人近くの開拓隊で向かった。 巨たなトランスポーターとよばれる乗り物は、地球の磁力との反発を利用して、空中を進むという、最新技術の結晶である。 移動手段としては優秀すぎる機動力で、1000人近くが乗っているのにもかかわらず、7000km近くの航路を、たったの2時間で到着することができた。乗り心地も悪くない。 現地についてからは、ひたすら力仕事だった。掘っては運ぶという途方もない作業。グループごとに交代で、トランスポーターに設置されている休憩用カプセルに入る。短い休息をとり、その間にロボットに充電するかのように、全身に栄養を補充される。そして、また働くのである。 開拓の理由は伝えられてはいなかった。 ただ、なんとなく、開拓と言うよりも、何かを探しているような、そんな指示ばかりだった。
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