第1章

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「おまえ、土曜日なにしてた?」 「え、恭子と買い物してたよ。」 「嘘つけ。横浜で男と歩いてるの見たヤツがいるんだよ。」 「じゃあ別れる?」 「え?」 この顔、何回見たことかしら。 オシャレなカフェでする話じゃないのにいつも別れ話するのはオシャレなカフェ。 「あたしの言葉より、そいつの話信じるんでしょ?」 「わ、わかれるだなんて。そんなこと言いたいんじゃないんだ。俺はただ…」 「ただ?なに?あたしはいいんだよ。別れても。」 うわ、泣きそう。 ひくわ…。 泣かれたら面倒くさいな。 「正高、あたし2人きりになれるとこ行きたいな……。」 あたしは正高の手を握った。 「正高、苦しい。そんなに強くしないで。」 「ごめん、未来…俺、我慢できない。」 「だって、ここ友達も住んでるんでしょ?いつ帰ってくるかわかんないじゃない。」 「大丈夫、あいつ撮影だって。夜まで帰ってこないよ。」 正高が手をいれる。 「あ……ちょっと……まって。」 そうか!正高のルームシェアしてる友達、モデルだっけ。 顔、見たいな。 
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