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【朔也side】
「………?……か、かがみ…?」
この男の人が言ってることが、よくわからない…
ボクは、ふしぎに思ったことを聞いただけなのに…
カタナをもった方の男の人が、こわいお顔でボクを見る。
「コイツ、自覚無しかよ…あ~…説明めんどくせぇな」
「お前はさっきから、何も説明してねぇだろうが!……何の話してたっけ?……ああ、思い出した。《ガキは殺すな》って契約はさ、俺達を雇った契約主が君の写真を手に入れられなかったからなんだ」
しゃしん…?
ボクのしゃしんがあったら、やまとお兄ちゃんもかえでおねぇちゃんも…ころされてた…?
自分でかんがえたことに、カラダがふるえた。
「……しゃ…しゃしんがなくても、ボクが男だってわかってるはずでしょ…?」
この人たちは、どうして女の子まで…
「そうだねぇ、そこで君の顔が関係してくるのさ。俺達は契約主から《女みたいな顔をした男の子》を見付けて、美空家屋敷の離れ最奥の部屋に連れてこいって命令受けたんだ。そうなったらさ、見た目が女でもそれが御子息様の可能性がある訳じゃん?本っ当に苦労したよ」
そう言ってかたをもんだり、うでをグルグル回したりしている。
ーーーーーガタンッ…!
ーーーガラッ…
いきなりボクのうしろにあった大きなマドが開いて、ビックリしてうしろを見る。
そこには、50さいくらいの男の人がいた。
「それは、悪かったね。ご苦労さん。どうやら、首尾よくやってくれたみたいで感謝する」
「感謝する…じゃねぇよ!アンタ、どっから入ってきてんだよ」
うでを回してた人もボクと同じように、ビックリして大きなマドからはいってきた人をどなる。
「そう怒るな。この屋敷の構造上この部屋に最短で来る為には、裏口の通用門から入ってきた方が手っ取り早いのだ。やあ、朔也君。久しぶりだね…と言っても、前に会ったのは2年前。君はまだ3歳だったし、覚えてないよね?」
おぼえてる…
2年前まで、よくこの家にきてた。
まさか、この人が…
「日下部様…やはり、あなたが《契約主》…」
……………ッ…!
やまとお兄ちゃんは、気づいてたの!?
「はて…?君は……もしや、大和君かい?『やはり』って事は、あらかじめ検討が付いてたって事かな…君の家系は、本当に恐ろしいよ。それにしても、ここに連れてくるのは朔也君1人で良かったんだけど…この現状の説明、してくれるかな?」
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