第1章 はじまりの子《幼少編》

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【朔也side】 なにが、あったの…? さっきまではなしてたのに、どうしてたおれたの? やまとお兄ちゃんに聞きたいことはいっぱいあるけど、なにかをずっとかんがえてるみたいではなしかけられなかった。 「朔也、高木…話がある。こちらへ来なさい」 お父さまが、ボクたちにはなし? なんか、イヤなよかん… 「かしこまりました。朔也様、まいりましょう」 「……………うん…」 ーーーーーーー………………… ここは、さっきまでいたおへやのとなり… テーブルとザブトンしかない、ただひろいだけのおへや… 「座りなさい」 言われたとおりに、お父さまとテーブルをはさんでむかいあわせにすわる。 「………これから、どうするの?」 こんなことになって、この家はこれからどうなるの? 「別に、どうもしない。俺達の生活は、これからも何も変わらない」 かわらない…!? かれいもきょういくがかりも、しんじゃったのに!? ーーバンッ…! 力いっぱいつくえをたたいたら、思っていたより大きな音がした。 「かわるよ!きょういくがかりがいなくて、ボクはどうなるの!?」 「何を言っている?教育係なら、お前の隣に座っているではないか…家令については、今外国にいる親父が連れて行っている者達から選ぶ事になる。分かったな?」 ………となりにすわっているって、やまとお兄ちゃん…? 「やまとお兄ちゃんが、ボクのきょういくがかり…?」 そんな…おジイさまは、やまとお兄ちゃんがきょういくがかりになるのは…ボクに子ができてからだって言ってたのに… 「御前様…お言葉を返すようですが、私はまだ教育係になれる人間ではございません…家令と同じく、ほかの人間を指名されてはいかがでしょうか?」 「教育係は、家令とは違う。俺は…高木家以外の者に、教育係を継がせる気はない。高木 大和…今この時をもって、教育係の任に就く事を命じる」 ズルい…メイレイされたら、やまとお兄ちゃんがことわれるわけない… 「……かしこまりました。本日1975年9月11日午前1時20分。私…高木 大和は、朔也様の教育係となる事をお引き受けいたします」 「それでいい。あとは、朔也…お前はこれから、この者への呼び方を《高木》と改めろ。お前達はあくまでも、主と従者…今までのような馴れ合いなど、必要ない」 なんだ、これ… なにもかわらないって言っておいて、ムチャクチャすぎる…
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